経験のある技術者がいつまでも活躍できる会社

代表取締役 能美 仁

 私は30年間大手企業で航空機搭載、および人工衛星搭載合成開口レーダ(SAR)の開発を行ってきました。その間に小型低価格のSARを実用化したいとアイデアを温めていました。いつかベンチャーを立ち上げて夢を実現したいと思うようになりました。

 大手企業では、課長、部長と管理指向になることで昇進昇給が実現されていると思います。いつまでも技術者では良い待遇を得られません。若いころ、欧米の会社と仕事をした時、70歳近い技術者が技術専門家として重要ポジションで活躍している姿を見て、大変羨ましく思いました。そして、技術者が豊かな報酬を得ながら、年金に頼らずいつまでも活躍できる会社を作りたいと思うようになりました。

 これらの夢を実現するために大手企業を早期退職し、退職金を基にアルウェットテクノロジー株式会社を起業しました。最初は一人だけですから、毎日夜中まで回路設計、はんだ付け、組立て、そしてソフトウェアの開発を全部自分で行いました。会社設立から2年の歳月を要しましたが、2009年に合成開口レーダを完成し、実際に航空機に搭載して観測に成功しました。実際の製品で技術実証すると、次々といろいろな問い合わせや仕事の依頼が来るようになり、昔の仲間も徐々に加わって、会社も大きくなってきました。

 90年代以前は大手企業も本社に製造部門を持ち、新入社員には、やすり掛けから、ものづくりの基礎を教育していました。技術部門には実験室があり、自分たちで試作開発を行っていました。しかし、バブル期以降、実験室がなくなり、製造部門が別会社となり、試作も含めて外注任せになってしまったのです。大手企業ではシステム設計のみ行い、回路設計や詳細設計は全て外注です。優秀な学生が入社しても、ものつくりを経験する場がなく、日本のものつくりの技術が育成、継承されない危機感を覚えました。

 その反省から、私共は徹底した内製化を目指しています。いまではレーダ技術、マイクロ波技術、マイクロ波アンテナ、高速デジタル回路、アナログ回路、ソフトウェアのほとんどの部分で内製が可能になりました。高度な技術開発に挑戦する場合、内製化のメリットは開発期間短縮と低コスト化、さらに小型軽量化です。大規模な量産は困難ですが、小中規模の技術開発にはベンチャーを活用することで低コスト、短納期が計れる可能性があると思います。

 私共はベンチャーとして日本の技術開発に貢献したいと考えております。また、これからも日本の優秀な技術が海外流出しないように、経験のある技術者が豊かにいつまでも活躍できる場を拡大していきたいと思っています。

アルウェットテクノロジー株式会社
代表取締役社長 能美 仁

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